The giraffe sneers at it.(2008)



2008 年 「新建築住宅設計競技2008」 提案コンペティション 応募作品

私はここに「共生」を提案する。

田園都市における住宅ではしばしば周りに生息する動物とのトラブルが起きる。田畑を荒らされたり、住居への侵入、損壊、時には命の危険にさらされることもある。人間にとっては迷惑であるが、彼らにとっては自分たちのテリトリーに侵入してきたのはむしろ人間である。

自然界においてはそれぞれのテリトリーがレイヤーとして重なって構成されており、それらが混ざり合って生態系が出来ている。
その自然界のヒエラルキーに馴染まない形で生活しているのが唯一人間であり、それが従来の住宅の形でもある。
ここに提案される住宅は敷地に柵などを設けず、建物を地面から切り離すことにより「侵入可能な領域」をつくっている。
それは住宅を自然界のヒエラルキーに還元する操作であり、人間と動物双方の良好な関係を築く試みである。
かくして人間は祖先のように樹上の生活者に戻る。
それをキリンは嘲笑する。
「なんだ、結局元通りじゃないか」と。

プランは9の公約数である3メートルグリッドで計画した。各ユニットは高さをずらすことにより、採光やプライバシーの確保を試みている。
地上から住宅は6メートル以上持ち上がっており、これはキリンが生活できる高さである。
住宅は階段室のコアと木々によって支えられ、ツリーハウスの様相を呈している。外壁は溶岩質のパネルを使用しており、年々ツタが絡まっていく。
家々はプライベートなテラスとは別に、共有のテラスを持つ。これは住人同士、さらに動物たちとのコミュニケーションを深める場となっている。
この住宅はこれからの田園都市における住宅の試金石である。
環境問題に対峙している現在だからこそ、動物たちとの共生は命題であり、建築家はこれらを模索していかなければならないと思う。


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